通帳のコピーを会計ソフトに取り込める明細CSVにする方法

会計事務所や税理士事務所では、顧問先から通帳のコピーや紙の入出金明細を預かり、会計ソフトに入力する作業が毎月発生します。インターネットバンキングの明細を連携できない顧問先の分は、手入力に頼っているという事務所も多いのではないでしょうか。

この記事では、通帳のコピーを会計ソフトに取り込める明細CSVにする方法と、通帳ならではの注意点を解説します。

通帳の入力、こんなことに時間を取られていませんか

  • 顧問先から届く通帳のコピーを見ながら、1行ずつ会計ソフトに入力している
  • 銀行ごとに通帳の書式や列の名前(「お預かり金額」「入金額」など)が違う
  • 日付が「7-05-28」のように2桁の年で印字されていて、西暦に直して入力している
  • 摘要がカタカナの略語で書かれていて、取引の内容を推測しながら入力している
  • 入力のあとで残高が合わず、どこで間違えたかを探し直すことになる

通帳は1冊に多くの行があり、顧問先の数だけ冊数も増えます。行の多さと、書式の違いが、入力の負担を大きくしています。

明細CSVの形と、通帳とのずれ

会計ソフトに入出金の明細を取り込むCSVは、多くの場合「1行に1件の取引」の形です。通帳の書き方と、CSVで求められる形には次のようなずれがあります。実際の列や書き方は、お使いの会計ソフトの取り込み仕様で確認してください。

通帳と明細CSVのずれ(例)
項目通帳での書き方CSVでそろえること
日付2桁の年+月日(多くは和暦。西暦の下2桁で印字する銀行もある)4桁の西暦の日付にし、区切り文字を取り込み先に合わせる
入金・出金「お支払金額」「お預かり金額」(銀行により「支払額」「入金額」など)の別の列入金と出金の列を分けるか、1つの列に符号を付けるかを取り込み先に合わせる
摘要カタカナの略語や記号取り込み先の文字数の上限に収める
残高行ごとに記載取り込みには使わない場合も、読み取りの確認に使える
通帳から、日付・摘要・出金・入金の列がある明細の表を作る図

通帳から明細CSVを作る方法の比較

通帳の明細をデータにする方法
方法向いているケース注意点
会計ソフトに手入力行数が少ない行数が多いと時間がかかり、入力ミスが残高のずれとして後から見つかる
インターネットバンキングの明細を連携・ダウンロード顧問先が明細データを用意できる紙の通帳しかない顧問先には使えない
一般的なOCR同じ銀行の通帳が多い銀行ごとに読み取り位置の設定が必要になる
AI-OCRで読み取ってCSVに出力銀行ごとに書式がバラバラ読み取り結果を残高で確認する工程が必要

明細データを用意できる顧問先はデータの連携を使い、紙の通帳しかない顧問先の分を読み取りで補う、という使い分けが現実的です。

明細CSVを作る手順

手順1:会計ソフトの取り込み仕様を確認する

CSVを作る前に、取り込み先の仕様で確認すること
確認すること内容
列の並びと見出し列の順番が決まっているか、1行目に見出しの行が必要か
必須の列空欄にできない列と、書類に書かれていない値(コードや区分)を入れる列
値の書き方日付(西暦・和暦、区切り文字)、金額(カンマや円記号の有無)、コードの桁数
文字コードShift_JIS か UTF-8 か
1回に取り込める件数件数や行数の上限があるか

手順2:1ページを「1行1取引」の表として読み取る

通帳の1ページには複数の取引が並んでいます。日付・摘要・出金・入金・残高を列とした表として読み取り、1行に1件の取引の形にします。

手順3:残高で読み取りを確かめる

「前の行の残高+入金−出金=その行の残高」になっているかを計算すると、読み取りの違いを見つけやすくなります。合わない行だけを元の通帳と照らし合わせれば、確認の時間を減らせます。

手順4:顧問先ごとに取り込む

顧問先ごと・口座ごとにファイルを分けて出力しておくと、取り込み先を間違えずに済みます。

ドキュメントフォースなら、通帳の明細を1行1取引のCSVにできます

AIによる書類処理の自動化サービス「ドキュメントフォース」で、通帳のコピーから会計ソフトに取り込む明細CSVを作る流れを紹介します。

取り込み先の列名に合わせて項目を設定する

取り出したい項目(解析項目)は、項目名と、取り出し方を日本語で書いた命令文(プロンプト)で設定します。項目名を取り込み先の列名(日付・摘要・出金・入金・残高など)に合わせておけば、出力するCSVの見出しにその名前が使われます。読み取る位置を書式ごとに指定する必要はなく、書式の違う書類も同じ設定で処理できます。

「日付はYYYY/MM/DDの形式で」「和暦は西暦に変換してください」のような注意事項をプロンプトに加えれば、取り込み先の形式に表記をそろえて取り出せます。

明細は1行に1件の形で出力する

通帳の取引のように行が続く明細は、表(CSV)形式の解析項目として取り出せます。エクスポートで「単項目の繰り返し出力」を有効にすると、銀行名や口座番号などの値が明細の各行に繰り返し出力され、1行に1件の形のCSVになります。

取り込み先の列の並びに合わせて出力する

エクスポートでは、ファイル形式(CSV)、見出しの行を出力するかどうか、出力する項目とその並び順を「エクスポートパターン」として書類の種類ごとに決めておけます。書類から取り出さない列は空白の列を足して位置を合わせられ、ファイル名やアップロード日時を列として加えることもできます。1度に出力できるのは最大300件です。

取り込み先ごとに形式が違う場合も、エクスポートパターンを取り込み先の数だけ用意しておけば、出力のたびに列を並べ替える必要はありません。

確認してから出力する

解析結果は、元の書類のプレビューと並べて画面上で確認し、必要に応じて修正できます。複数の書類の解析結果はシートモードでまとめて確認でき、ハイライトを有効にすると、それぞれの値が書類のどこから取り出されたかをプレビュー上で確かめられます。

書類の取り込みも自動にする

メールに添付されて届く書類は、ワークスペースごとに発行される専用の受信アドレス宛てに転送するだけで、メール取込で自動で取り込めます。紙の書類はスキャンしてメールで送るか、Windowsのパソコンに保存したファイルを自動アップローダーで取り込めます。

まとめ

通帳のコピーから明細CSVを作るときは、銀行ごとの書式の違い、日付の書き方、入金と出金の列のそろえ方がポイントです。読み取ったあとは残高の計算で確かめると、確認の手間を減らせます。

ドキュメントフォースなら、銀行ごとに書式の違う通帳も同じ設定で読み取り、会計ソフトの列の並びに合わせたCSVとして出力できます。

コラム一覧へ戻る