「生成AIで書類を読めば早い」と思ったのに
生成AIに書類の画像を渡すと、内容を読み取って要約したり、表にまとめたりしてくれます。ところが、これを毎日の業務で使おうとすると、次のような壁に当たりがちです。
- 書類が届くたびに、画像を渡して指示を書き、結果を表に貼り付ける作業が残る
- 同じ指示を出しても、回答の形や内容が毎回少しずつ違う
- もっともらしいが、書類に書かれていない内容が混ざることがある
- 取引先の書類や個人情報を、そのままAIに渡してよいのか判断がつかない
生成AIの力を業務で生かすには、こうした課題を前提にした使い方が必要です。まずは、書類のデータ化に関わる技術を整理してみましょう。
OCR・AI-OCR・生成AIの関係
書類のデータ化に関わる技術は、次のように整理できます。

| 技術 | 得意なこと |
|---|---|
| 従来のOCR | 決まったフォーマットの活字を、テキストデータに変換する |
| AI-OCR | 機械学習・ディープラーニングにより、手書き文字や非定型帳票も読み取る |
| 生成AI(言語モデル) | 指示の意味を理解し、情報の抽出、形式の変換、要約・翻訳、条件に応じた判断などを行う |
文字を「読み取る(認識する)」AI-OCRに対して、生成AIは指示に沿って「考えて出力する」技術です。この2つを組み合わせることで、ただ文字を取り出すだけでなく、「日付を指定の形式にそろえる」「複数の候補から最新の日付を選ぶ」といった処理まで任せられるようになりました。
ChatGPTなどの対話型AIで書類を読み取る場合との違い
対話型AIは、プロンプトでやり取りしながら柔軟に処理を進められるのが強みです。一方で、毎回指示を出す必要があり、同じ処理を繰り返すルーティン業務には向いていない面があります。

| 観点 | 対話型AI | 業務で繰り返し使うときに求められること |
|---|---|---|
| 使い方 | 毎回プロンプトを書いて会話する | 一度つくった指示を繰り返し使える |
| 出力の安定性 | 同じ質問でも結果が異なることがある | 毎回同じ形で結果が出る |
| 操作 | やり取りを重ねて進める | 書類を渡すだけで処理が終わる |
| 向いている用途 | 単発の作業や、創造的な作業 | 同じ種類の書類を繰り返し処理するルーティン業務 |
たとえば、取引先から届く請求書を毎月数百件処理する場合、対話型AIでは「1件ずつ画像を渡して指示を書き、結果をコピーして表に貼る」作業が残ります。繰り返しの業務では、指示をあらかじめ用意しておき、書類を取り込むたびに自動で実行して結果を台帳にまとめられる仕組みが向いています。
生成AIで書類を処理するときの注意点
生成AIは便利な一方で、次のような課題があります。
- ハルシネーション(幻覚):事実と異なる内容を、もっともらしく出力してしまうことがある
- 回答の再現性:同じ指示でも、同じ回答になるとは限らない
- 処理時間:考えながら出力するため、回答に時間がかかる場合がある
そのため業務では、出力の形式を指示で固定する、取り出した結果を元の書類と見比べて確認する、といった仕組みが欠かせません。
書類がAIの学習に使われないか
取引先の書類や個人情報を含む書類を扱う場合は、預けたデータがAIの学習に使われないかも重要です。サービスを選ぶときは、データの扱いを利用規約や公式の説明で確認しておきましょう。
生成AIを使ったOCRサービスを選ぶポイント
- 設定を使い回せるか:一度つくったプロンプトを、繰り返し自動で実行できるか
- 結果が安定するか:同じ書類で結果が大きく変わらないよう設計されているか
- 確認と修正ができるか:元の書類と見比べながら結果を直せるか
- 情報の扱い:預けた書類がAIの学習に使われないか
- 出力の形:ExcelやCSV、自社の書式など、次の業務で使う形で出力できるか
ドキュメントフォースなら、生成AIを業務で繰り返し使えます
AIによる書類処理の自動化サービス「ドキュメントフォース」は、同じ処理を繰り返すルーティン業務での利用を前提に、回答が毎回一定になるよう設計されています。
一度設定すれば、アップロードだけで処理できる
あらかじめ用意したプロンプトを、アップロード時に一括で自動実行し、結果を台帳にまとめます。毎回プロンプトを書いて会話する必要はありません。
- 取り出したい項目と、取り出し方のプロンプトを一度だけ設定する
- 書類(紙・PDF・Word・Excel・PowerPoint・画像など)をアップロードする
- AI-OCRが全文をデータ化し、プロンプトに沿って必要なデータを取り出して台帳にまとめる
- 解析結果を画面で確認し、必要に応じて修正する
- 自社のテンプレートなどを使って、新しいファイルに出力する
解析に使うAIのモデルは、標準のモデルや、複雑な書類の解析に向いた思考力の高いモデルなど、用途に合わせて選べます。
確認しやすく、学習にも使われない
解析結果が書類のどこから取り出されたかをプレビュー上で確認できるハイライト機能で、確認の手間を減らせます。また、社内の機密情報が意図せず学習されるリスクを避けるため、あらゆるケースで生成AIの学習機能を使わない設定にしています。
まとめ
生成AIを活用したOCRは、文字を読み取るだけでなく、指示に沿ってデータを整える処理まで任せられる点が大きな進化です。単発の作業なら対話型AIでも十分ですが、同じ種類の書類を繰り返し処理する業務では、設定を使い回せて、結果を確認しやすい仕組みが向いています。
ドキュメントフォースなら、一度つくった設定を繰り返し使い、結果を確認しながら台帳にまとめられます。